第255回日本語例会(2022/7/17)

日本語例会(Japanese)

■開会

 本日は今期会長のSさんによる進行でした。最近の趣味である「縄文遺跡群」めぐりから、「絆」「ストーリーの大切さ」への気づきを紹介され、和やかな雰囲気で会が始まりました。

■今日の言葉:余すところなく

 今日の言葉は、日頃は使わない良い言葉を紹介し、例会の中で使ってみることで語彙を増やすことを目的にしています。「余すところなく、~を発揮する/表現する。」と使われる言葉です。本日の今日の言葉を担当されたDさんより、回数を使おうとするより、適切な場面で、今日の言葉を使っていくことの大切さが示唆されました。

■ 準備スピーチの部 

 準備スピーチとは、トーストマスターの中で各自が選択したプロジェクトに基づき、決められた時間内でスピーチを実施します。本日は3名が準備スピーチを実施しました。

 最初のスピーカーは、ビブリオバトルという本の書評をスピーチする形式でのスピーチを実施しました。紹介された本は、谷崎潤一郎の「蓼喰う虫」、登場人物らの心情から、「自分自身の理想をパートナーに押し付けているのではないか」という気づきを得られる作品とのことです。女性観は、明治頃の作品ということもあり、現在とはだいぶ異なるものの、文章が綺麗な作品ということです。

 次のスピーカーは、空手の昇級審査会を通じて得られた気づき「緊張は減らせるものの、無くなることはない」について、審査会の様子を生き生きとジェスチャーで再現され、臨場感あるスピーチでした。空手を通じた物事に取り組む姿勢に対する心情が人間味があり印象的でした。

 最後の準備スピーカーは、現在の米中対立及びロシアによるウクライナ侵攻について、20世紀の冷戦との差異を、①2極性と多極性、②イデオロギー対立の有無と指摘し、現在の様相は、20世紀時代の冷戦よりも、第1次世界大戦前の大国間の競争に繋がってしまうリスクのある状況ではないかと提言されていました。現在の様相を「新しい冷戦」と整理してしまうと、見逃されてしまう大国間の戦争のリスクを示唆する内容でした。

■ テーブルトピックスの部

 テーブルトピックスとは、即興で与えられたお題に対して、2分間のスピーチをするというものです。本日は、2択を尋ね、その理由などを説明するというものでした。

 ・海派 それとも 山派? その理由は?

 ・携帯電話はiPhone派 それともandroid派? おすすめのアプリは?

 ・水族館派 それとも 植物園派? その理由は?

 いずれの2択も、どちらを選ぶか悩んでしまう問いかけでした。

■論評の部

 先生がいないトーストマスターズでは、担当を割り当てられた会員がそれぞれの準備スピーチに対して論評を実施します。

 準備スピーチ1については、①導入部の構成が良いこと、②「蓼」の説明時のジェスチャーや小物が良かったこと、③ビブリオバトルという馴染みのない形式を紹介することができていたことが良い点だったと論評されていました。改善点としては「ビブリオバトル」の説明を、前段にもう少し丁寧に入れると「ビブリオバトル」について、もっとすんなりと入っていける点が指摘されていました。

 準備スピーチ2については、①ビジュアルが良いこと、②結論から入るスピーチ構成がインパクトがあったこと、③空手審査会の様子がありありと伝わったこと、④スピーチの内容が共感できたことが良かった点と論評されていました。改善点としてはタイムマネジメントが指摘されていました。

 準備スピーチ3については、①スピーチのリズムが良かったこと(話すスピード、ポーズの取り方)が論評され、改善点としては、①スピーチの内容として、何を一番伝えたいこと(メッセージとするか)を明確にすること、②身振りの使い方、③難しい外来語(インプリケーション、アナロジー)などに対する説明などが指摘されていました。

■結果発表

 ベストスピーカーとして、準備スピーチはMさん、論評はNさん、テーブルトピックはAさんがそれぞれ受賞されていました。おめでとうございます。